「炭素材料の多様な分析手法」
炭素材料は,原子番号6の元素である炭素を主成分とする多種多様な材料の総称で,黒鉛,木炭,活性炭,カーボンブラック,炭素繊維,ダイヤモンドなどが含まれます。近年,ナノカーボンとも呼ばれるカーボンナノチューブやグラフェン,そして鋳型炭素などの材料も現れ,多彩な材料が多岐にわたる分野で用いられています。その理由は,炭素材料が有用な物性を示し,機能が多様であるためです。例えば,リチウムイオンとの層間化合物形成機能は,記憶に新しい2019年ノーベル化学賞「リチウムイオン電池の開発」の受賞理由の根幹をなしています。このように炭素材料は多種多様ではありますが,1つの元素から構成されていることは共通しており,したがって,形態,物性,機能は相互に関連しているといえるでしょう。多様な炭素材料についてその物性を把握し応用開発を目指すには,分析手法の正確な理解と習得が重要です。
本セミナーでは,各種炭素材料の物性や形状の分析手法についての基礎知識を学べる2日間のコースを企画いたしました。炭素材料に興味をもたれている方々,かかわっている方々が,知識やスキルを修得・深化する場として是非ご利用ください。
なお,どちらか1日を選び参加することもできます。
事前質問は,10月20日(水)まで学会HPから受け付けます。質問内容によっては回答できない場合もありますので,ご了解ください。なお,質問内容に関する秘密保持はできかねますのでご注意ください。
皆様のご参加をお待ちしております。
新型コロナウィルス感染症(COVID-19)感染拡大防止の観点から,オンライン開催へと変更になりました。
日 時
2021年10月28日(木)9:30~17:30
2021年10月29日(金)9:30~17:30
場 所
オンライン開催
主 催
炭素材料学会
協 賛
日本化学会,電気化学会,応用物理学会,日本セラミックス協会,日本表面真空学会,日本吸着学会,大阪科学技術センター
参加費
(消費税およびテキスト代を含む)
【個人料金(1名のみ接続可)】
- <2日コース>
- 正会員(協賛学協会含)・賛助会員 50,000円
学生会員(協賛学協会含)10,000円
非会員 75,000円
学生非会員 20,000円 - <1日コース>
- 正会員(協賛学協会含)・賛助会員 30,000円
学生会員(協賛学協会含)5,000円
非会員 50,000円
学生非会員 10,000円
【グループ料金(参加申込者を含む最大5名接続可)】
- <2日コース>
- 正会員(協賛学協会含)・賛助会員・学生会員(協賛学協会含)・学生非会員からなるグループ 75,000円
学生会員(協賛学協会含)のみのグループ 15,000円
学生非会員のみまたは学生会員(協賛学協会含)・学生非会員からなるグループ 30,000円
非会員を含むグループ 112,500円 - <1日コース>
- 正会員(協賛学協会含)・賛助会員・学生会員(協賛学協会含)・学生非会員からなるグループ 45,000円
学生会員(協賛学協会含)のみのグループ 7,500円
学生非会員のみまたは学生会員(協賛学協会含)・学生非会員からなるグループ 15,000円
非会員を含むグループ 75,000円
(※グループ選択は,以下の例をご参考ください。例3のように、個人参加とグループ参加とを組み合わせたほうがお得となる場合もございます。)
例1:正会員(協賛学協会含)2名,学生会員(協賛学協会含)2名,学生非会員1名のグループが2日コースを希望の場合
⇒「〈2日コース〉正会員(協賛学協会含)・賛助会員・学生会員(協賛学協会含)・学生非会員からなるグループ(75,000円)」
例2:正会員(協賛学協会含)1名,非会員1名,学生会員(協賛学協会含)2名のグループが1日コースを希望の場合
⇒「〈1日コース〉非会員を含むグループ(75,000円)」
例3:正会員(協賛学協会含)1名,学生会員(協賛学協会含)3名のグループが2日コースを希望の場合
⇒「〈2日コース〉正会員個人(協賛学協会含)1名 + 〈2日コース〉学生会員(協賛学協会含)のみのグループ(50,000円 + 15,000円 = 65,000円」
申込方法
以下のリンクよりお申し込み下さい。
グループ参加の場合,受講者の代表者である申込者以外に4名まで登録することができます。受講者全員の情報を入力してください。
郵便振替での支払を希望される方は,10月12日(火)までにお申し込みください。登録完了後,郵便振替票付請求書をお送りさせていただきます。参加費は10月19日(火)までにご納入ください(払込期日厳守)。
クレジットカードでの決済の場合は,10月24日(日)まで受付可能です。
プログラム
表紙
目次
<10月28日(木)>
- 09:30~11:00
ガス吸着による炭素界面構造評価
(千葉大学) 大場 友則
1)吸着測定について
2)吸着等温線の理解
3)表面解析
4)細孔構造解析 - 11:00~11:15
休憩 - 11:15~12:45
炭素材のRaman分光分析
(信州大学) 藤澤 一範
1)ラマン分光法の原理
2) 炭素材料の構造とラマンスペクトル
3) 試料準備と励起波長の選択
4) sp2 系炭素における欠陥の評価 - 12:45~14:00
昼食 - 14:00~15:30
X線回折法による炭素の構造解析
(京都大学) 藤本 宏之
1)炭素の構造
2)学振法
3)炭素網面積層数の評価
4)炭素網面サイズの評価
5)黒鉛化度P1
6)近年のX線回折装置 - 15:30~15:45
休憩 - 15:45~17:15
昇温脱離法による炭素表面構造の分析
(群馬大学) 石井 孝文
1)炭素材料の化学的性質とエッジ面
2)エッジ面の分析手法
3)昇温脱離分析による炭素構造解析
4)重水素標識昇温脱離分析によるエッジ面の化学構造解析 - 17:30
- 終了
<10月29日(金)>
- 9:30~11:00
X線光電子分光法および赤外吸収分光法による炭素材料の分析
(千葉大学) 山田 泰弘
1)XPS,IRとは?
2)スペクトルの計算方法
3)含酸素・窒素官能基
4)点欠陥,5,7員環,sp2 C-H,sp3 C-H
5)炭素化状態とピーク位置の関係
6)ジグザグとアームチェアエッジの違い - 11:00~11:15
休憩 - 11:15~12:45
小角X線散乱による炭素材料の構造解析
(群馬大学) 畠山 義清
1) X線の歴史と発生原理
2) 小角X線散乱の基礎と対象試料
3) 市販装置・放射光を用いた小角X線散乱
4) 炭素材料の小角X線散乱とその解析 - 12:45~14:00
昼食 - 14:00~15:30
透過型電子顕微鏡による炭素材料の形状観察手法
(長崎大学) 瓜田 幸幾
1) 電子顕微鏡理論の基礎
2) 電子顕微鏡の構成
3) 電子顕微鏡観察テクニック
4) 電子顕微鏡像をどう見るか?どう見せるか? - 15:30~15:45
休憩 - 15:45~17:15
炭素材料の熱的性質とその測定方法
(産業技術総合研究所) 岩下 哲雄
1) 熱容量について
2) 炭素材料の熱伝導
3) 炭素材料の熱膨張と耐熱衝撃性
4) 各熱的性質の測定方法 - 17:30
終了
参加申込に関するお問い合わせはこちら
炭素材料学会 基礎講習会ヘルプデスク
E-mail: tanso-koshukai[at]bunken.co.jp([at]を@に変更してください。)
FAX: 03-5227-8632