「炭素材料の物性と分析方法 ―入門から応用まで―」
炭素材料にかかわる科学と技術は,炭素材料の発見や開発過程を経て,さまざまな科学的および技術的展開を遂げてきました。活性炭,カーボンブラック,炭素繊維などの馴染み深い材料から主に研究用途のナノカーボン類に至る多彩な材料が多岐にわたる分野で用いられています。近年炭素材料は燃料電池やリチウムイオンバッテリー,キャパシタなど人類の将来に関わるエネルギー・環境問題に対応することができるキーマテリアルとして多大な注目を集めてきました。
本セミナーでは,炭素材料を正しく理解して応用開発をめざすための分析と調製・調整の基礎知識から応用まで学べる2日のコースを企画いたしました。炭素材料に興味をもたれる方々,かかわっている方々の知識修得・確認する場として是非ご利用ください。 なお,どちらか1日を選び参加することもできます。
事前質問は,10月4日(水)まで受け付けます。質問内容によっては回答できない場合もありますので,ご了解ください。なお,質問内容に関する秘密保持はできかねますのでご注意ください。
皆様のご参加をお待ちしております。
日 時
2017年10月12日(木)9:30~16:40
2017年10月13日(金)9:30~16:40
場 所
日本教育会館 7階 707会議室(〒101-0003東京都千代田区一ツ橋2‐6‐2)
TEL:03-3230-2831,URL:http://www.jec.or.jp/
主 催
炭素材料学会
協 賛(予定)
日本化学会,電気化学会,応用物理学会,日本セラミックス協会,日本表面科学会,日本吸着学会,大阪科学技術センター
定 員
100名
参加費
- <2日コース>
- 正会員(協賛学協会含)・賛助会員 50,000 円,学生会員(協賛学協会含)10,000 円,非会員 75,000 円, 学生非会員 20,000 円(消費税及びテキスト代を含む)
- <1日コース>
- 正会員(協賛学協会含)・賛助会員 30,000 円,学生会員(協賛学協会含)5,000 円,非会員 50,000 円, 学生非会員 10,000 円(消費税及びテキスト代を含む)
申込方法
郵便振替での支払を希望される方は,学会HPから9月26日(火)までにお申し込みください。クレジットカードでの決済の場合,申込登録は,10月9日(月)まで受付可能です。
登録完了後,郵便振替票付請求書をお送りさせていただきます。参加費は10月4日(水)までにご納入ください(払込期日厳守)。当日の申込も会場にて受け付けております。
プログラム
<10月12日(木)>
- 9:30~10:50
ガス吸着測定による炭素細孔の構造評価
(千葉大学) 大場友則
1) 吸着測定について
2) 吸着等温線の理解
3) BET解析
4) 細孔構造解析
5) 事前質問への回答 - 10:50~11:00
質問タイム - 11:00~11:05
休憩 - 11:05~12:25
TEMによる炭素材料の観察と局所分析
(産業技術総合研究所) 吉澤徳子
1) TEMの原理
2) 炭素材料の観察法・EDS/EELS分析法
3) ナノカーボン類の観察及び分析
4) 試料作製方法
5) 事前質問への回答 - 12:25~12:35
質問タイム - 12:35~13:35
昼食 - 13:35~14:55
炭素材料のラマン分光
(信州大学) 藤森利彦
1) ラマン分光の基礎
2) 特殊なラマン分光測定
3) ナノカーボンのモルフォロジーとラマンスペクトル
4) 光吸収とラマン分光 -共鳴ラマン効果-
5) ラマン分光による炭素材料の欠陥評価と注意点 面構造の評価法
6) 事前質問への回答 - 14:55~15:05
質問タイム - 15:05~15:10
休憩 - 15:10~16:30
X線回折法による炭素の構造解析
(大阪ガス株式会社) 藤本宏之
1) 炭素の基本構造と構造パラメータ
2) 学振法
3) Diamond法
4) Hirsch法
5) 黒鉛化度
6) 事前質問への回答 - 16:30~16:40
質問タイム - 16:40
終了
<10月13日(金)>
- 9:30~10:50
炭素繊維用前駆体ピッチの調製と分析
(九州大学) 尹 聖昊
1) 原料の選定
2) 紡糸用等方性ピッチの調製
3) 原料と前駆体ピッチの分析
4) 炭素繊維の物性とピッチ組成の関連性
5) 事前質問への回答 - 10:50~11:00
質問タイム - 11:00~11:05
休憩 - 11:05~12:25
X線光電子分光分析(XPS)と赤外分光分析(IR)による炭素材料の構造解析
(千葉大学) 山田泰弘
1) 含酸素・窒素官能基(XPS+IR)
2) 点欠陥,5,7員環,sp2 C-H,sp3 C-H(XPS+IR)
3) ジグザグエッジ,アームチェアエッジ(IR)
4) 事前質問への回答 - 12:25~12:35
質問タイム - 12:35~13:35
昼食 - 13:35~14:55
炭素材料の製造と物性
(産業技術総合研究所) 岩下哲雄
1) 炭素化時の様相(固相,液相,気相)
2) 黒鉛化の現象(ハードカーボン,ソフトカーボン)
3) 黒鉛化による 物性の変化(電気,熱,機械的性質)
4) 事前質問への回答 - 14:55~15:05
質問タイム - 15:05~15:10
休憩 - 15:10~16:30
コークス
(新日鐵住金株式会社) 齋藤公児
1) コークス製造プロセスとその役割
2) コークスのための石炭品質評価法(NMR法の活用も含む)
3) コークスの品質評価法と各種分析手法(X線CTや顕微鏡法等)の関わり
4) 新しいコークスプロセスについて
5) 事前質問への回答 - 16:30~16:40
質問タイム - 16:40
終了
■ 参加申込に関するお問い合わせはこちら
炭素材料学会 基礎講習会ヘルプデスク
E-mail: tanso-desk[at]bunken.co.jp([at]を@に変更してください。)
FAX: 03-3368-2827
■ 日本教育会館へのアクセス
http://www.jec.or.jp/koutuu/index.html